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作品: スリザリンの継承者―魔眼の担い手―
作者: 寺町朱穂
原作: ハリー・ポッター、Type Moon
状態: 連載中(69話 52万字) → 本編完結(101話 97万字)
review
主人公(セレネ)の、擦り切れた自我から物語は始まります。等身大の想いの下には、善も悪も無く、ただただ切実に、願いの実現を求めます。ただし手段は問いません。
表面上、セレネにはスリザリンっぽさがありません。器量良く、装いであるとしても優しく、非・純血主義で、他人とつるもうとしません。
でも暴君もできる。
不穏な気配がありつつも、スリザリンな人々が可愛い! スネイプが優しい! ハーマイオニーがいいやつ! セレネって真面目!
振り返ってみると、少女漫画的なフィルタが入っている気がします。マルフォイがデレるとかありえん。
でもそれがいい。
年を経るごとに、物語や人間関係が展開し、セレネにも変化が現れて来ました。荒波を乗り越えるべく、彼女は力を求めます。どう舵を切るか、もしくはどのような波に呑まれるのか。まだ読者には分かりません。
誰よりも正しいハーマイオニーがセレネに肯定的で、誰よりも間違えるロン・ウィーズリーが否定的なのですが、はてはて。あの不穏な雰囲気が変わってきたように思うのは、僕の変化か、セレネの変化か。
続きが読みたいものですね。
追記
完結しました。おめでとうございます。あれだけ読みたかったのに、終わってしまうと寂しいものです。様々感傷が残りますが、セレネの行く道を祝福したいと思います。